2012年1月18日水曜日

古瓦と万両の苔玉

 今、講座を一つ終え、一息ついたところです。長期にわたり通ってくださっている生徒さん達の和気藹々としたクラスの雰囲気は、僕にとっても楽しいものです。講座では、いつも内容に沿って様々な古美術・骨董作品を生徒さん達に観ていただくことにしています。自由に触れていただくことで、博物館や美術館のガラス越しでは分かりにくい細部まで鑑賞していただきたい、と思うからです。スライドやDVDも知識を得ていただくには良いので使います。しかし、やはり実物を手にとってルーペで銀化や貫入、気泡まで確認することで、真贋を見分ける眼が養われます。写真の瓦も今回の教材の一つとして使いました。

 
  さすがに手に取るにはズシリと重いです。仏教美術の流れから、最近瓦にも人気が集まっているようです。
 
 これは、天平時代の都、平城宮のもので、まさに井上靖の小説、「天平の甍」です。見どころは蓮弁の形。屋根に乗せてしまえば、下から見上げても詳細等分からないのに、実に美しく仕上がっています。軒平瓦の唐草も素朴で美しい文様です。奈良時代の大らかさが感じられます。

 この瓦は、奈良国立文化財研究所所蔵のものと同じです。


 今日は生徒さんの一人が、「琉球すずめうり」をくださいました。小振りのプチトマトくらいの大きさで、スイカのような柄。赤と緑の実が蔓に付いています。ものすごくカワイイです。早速写真を撮りました。種を採る為に乾燥させてありますが、実際は作り物かと思うほど鮮やかな色合いです。種から育てるのは難しいそうですが、なんとか発芽させて、来年のクリスマスの彩りに添えたいです。


 カメラを出したついでに、万両の苔玉も撮影。今年の正月から飾っています。

 「日光はもちろん、外気にもちゃんと当ててやること...でも直ぐに鳥が赤い実をつついてしまうよ」、と園芸店で注意されたので、気が気ではありません。ベランダの内側に置き、昼間は寒いのも我慢して窓を開けてやります。なかなか世話の焼ける子です。来年も元気でいてくれるかどうか...それは僕の根気次第なのでしょうが、ちょっと心配。

 万両を乗せている皿は、江戸時代の瀬戸輪花皿で、もともと茶道で菓子皿に使われてきたものでしょう。渋めの色調に、優しい色合いの和菓子が映えるものです。


日本骨董学院 http://www.kottou-gakuin.com/

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