秋になると、小学生のころ八百屋さんに松茸が安くたくさん並んでいた懐かしい光景が思い浮かびます。もちろん国産の松茸です。母がその松茸が好きで、よく焼いて食べさせてくれました。子供の僕が好きだったのは醤油をつけて焼く松茸で、いまだに思い出があります。小学校の六年の運動会で、みんなでお昼のお弁当を食べようとしていたときです。僕は中学では「ノリ玉」というふりかけが大好きで、お弁当はいつも「ノリ玉」弁当なのでタコというあだ名以外に「ノリ玉」というあだ名がついたくらいでした。
「ウワー、この弁当に乗っている茶色のものはなんだ???」とみんながのぞきにきました。「松茸だよ」とタコ。こんなもん、好きなのか?といわれたことを、ふと思い出しました。当時の子供は安くても松茸はあまり食べなかったのでしょうか?今ではこの3本入りの小さな松茸がワンパック930円もしますが、昔はまずしい家庭のタコにもたくさん食べられたくらいですから本当に安くてたくさん採れたのです。
この醤油をつけた焼松茸、本当に香ばしくておいしいのです。実は3本入っていたのですが写真を撮る前に1本食べてしまったのです(^_^;)
タコの得意料理!?「松茸の醤油焼」 |
人生は楽しまないと、というのは平家の時代に後白河法皇が今様で「あそびをせんとやうまれけむ・・」とかうたっていました。今は亡くなった陶芸家の辻清明さんもそんなこといってました。
確かに人生はできれば楽しく生きたいですね。一度きりの人生ですから・・。でも楽しいという感覚は、つらいこと、苦しいことがあるから楽しいのだし、苦しみを乗り越えた時こそ心から楽しめるのだと思います。この大先輩のHさんも働き通しの人生だったと聞きました。そういう人生であるからこそ潤いというか楽しみは欠かさないようにしないといけないなぁとつくずく思いました。茶道でも「一期一会」という言葉があります。この今というひと時を一生懸命に生きる、相手とせいいっぱい楽しむ、それが永遠ということの意味なんだ、ということなのでしょうか。今年もHさんから一緒に松茸食いに行こうと誘われてます。