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ドラゴンを退治する聖ゲオルギウス |
ベルリンについてしばらくは足慣らしのため、市内を歩くことにしました。時差の関係から、10月29日午後1時に成田を出発して、モスクワ経由で同じ日の午後8時45分にベルリン・シェーネフェルト空港に到着しました。旧東ドイツに属する空港で、いかにも質素でガラーンと広く、それが閑散とした感じを与えます。ホテルはやはり旧東ドイツのアレキサンダープラッツという駅から歩いて3分の便利な場所です。多くの地下鉄(Uバーンという)の出発点や通過点ですので、レストランやビストロもたくさんあって便利です。カリーヴルスト(Currywurst)の美味しいお店には、顔馴染みになるほど通ってしまいました。ヴルストwurstとは、ドイツ語で、ソーセージのことで、これはパリッとあぶった大き目のソーセージにカレー味のトマトケチャップをかけた軽食です。
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Spree川から見るベルリン大聖堂 |
10月末の東京はまだ暖かくて,街路樹の葉も色づかないうちに旅立ったのですが、ベルリンに着くと、そこはもう黄葉の最後でした。道を覆う落ち葉はとてもきれいです。ベルリンの秋の美しさは有名で、ぜひ一度来てみたいと思っていました。私は大学生の頃、ドイツ文学を専攻したこともあり、一時ドイツ留学を夢見ていろいろな大学のパンフレットを取り寄せたことがありました。その中にベルリンのフンボルト財団の大学もありました。それはあくまでも夢であり、経済的な問題であきらめて就職をしましたが、もし留学できていたら人生はまったく変わっただろうなと思いながらこの大学のあたりの黄葉をながめました。
ロンドン同様、ドイツもこの時期、雨がシトシト降り、雲が低く垂れこめどんよりとしています。傘をさすほどでもなく、だけど何もないと頭が濡れて寒い。そこで雨除けの鍔付帽子を一つ買いました。撥水加工されたコートを着て行ったので、傘なしで万全です。帽子文化の意味がわかったような気がしました。
かつての水運のためか、ベルリンは川の多い街です。その川沿いに歩くのがなかなかイイ感じです。ベルリン名物のポンポン船が行き来して、とても風情があります。雰囲気が良いせいかレストランが多く、ベルリン子の夜のたまり場みたいです。そうしたにぎやかな場所で一人飲んだり食べたりは今回は気が進まなかったし、レストランでは一人前でも食べきれないほどの量。ビールもドイツ人にはかないません。一人旅の異国の地で酔いつぶれて運河にでもころげ落ちては大変ですから、タコはもっぱら街の屋台風のソーセージ屋さんやテイクアウトの店で好きなものを適量買って、ホテルで食べ、飲みました。すぐベッドにコロンとできます。一日中歩き回って疲れた身には、その方が静かで気楽です。シャワーを浴びてさっぱりすると、東京にいる時には考えられないほどの早い時間に眠りに落ちました。
そのようなわけで朝はやたらと早く目覚めて、時間を持て余しそうでした(^O^;) 早めにホテルの食堂に行き、ビュッフェの朝食をたっぷりとると、昼時になってもお腹が空きません。この季節は日暮れが早いですから、ランチ抜きで見学に集中し、夜食はこのようにテイクアウトしてホテルでとりました。この度ではその後もほぼこの2食体勢を貫きました。写真はアレキサンダープラッツ近くのデパートの食品売り場です。ここには何でもありますが、アツアツのソーセージはインビス(imbiss:屋台風飲食店)にかぎります。
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ガレリア・カウホーフのデリカテッセン |
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ケーキもボリュームたっぷり! |
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岩塩のきいたプレッツェル(中央)が美味 |
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CURRY36はベルリン屈指のカリーヴルストの人気店 |
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新旧建築様式が混在する独特の街並み |
ベルリンでは毎日たくさん歩きました。歩きすぎて足裏にマメがたくさんできたほど。本当に痛くて閉口しましたが、歩くことによって地図が頭に入ります。日曜日には骨董市が4か所開催されるので行ってみました。蚤の市(Flohmarkt)という名前ですが骨董品もかなり出ています。なんと楽しいところだろう。でも、マメが2個つぶれた激痛に耐えかねて薬局に駆け込みました。最新式の大きめの絆創膏を勧められ、すぐ貼れといわれ別室に案内さたのでビックリ。しかしその場で貼ったらかなり痛さは軽減されました。さすが医学のドイツと思ったら、その絆創膏は実は日本人の発明らしいです。やはり最近は日本か~!と大いに誇りに思いました(^-^)。多めに買い足したのが正解でした。気ままに歩き回りたいタコですから、この旅の最後までこの絆創膏がどれほど役に立ったことかは言うまでもありません。履き心地が良いと思っていたスニーカーが意外に痛かったので、廃棄しました。もう一足、ウォーキング・シューズを持って行って良かった。そちらに履き替えたら、柔らかくて楽になりました。
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化石を売っている店のウィンドウに映ったニコライ教会 |
今回、ベルリンその他ヨーロッパのアンティーク・マーケットについては日本骨董学院のホームページの表紙から愛知県共済のインターネット文化講座にアクセスしていただきますと2013年1月から12回連載する予定の「西洋アンティーク紀行」をお読みいただけます。ヨーロッパの骨董市は非常に面白いので、ぜひそちらもご覧いただければと思います。
私の滞在するホテルから歩いて10分くらいのところに通称、博物館島があり、そこに主だった美術館、博物館が集中しています。ベルリンの大きな目的はNeues Museum(新博物館)所蔵のエジプトの「王妃ネフェルティティ胸像」とAlte Nationalgalerie (旧ナショナルギャラリー)所蔵の私の大好きなカスパール・ダヴィッド・フリードリッヒの一連の名画を鑑賞すること、ペルガモン博物館の神殿を詳細に観ること、そして4か所の骨董市をめぐること、最後に第二次世界大戦後のドイツの負の遺産を徹底的に直視することでした。