2011年12月5日月曜日

エヴェレストのアンモナイトの化石 三葉虫 恐竜

  三葉虫については既に書きましたが、アンモナイト(Ammonoidea)について今回は書いてみたいと思います。タコの宝ものの一つに、エヴェレストの近くにあるカリガンダキ渓谷から出土した大きなアンモナイトの化石があります。真っ黒な、緻密な化石で、見るからに威厳があります。エヴェレストは現地ではチェモランマと言っているようですが、ご存じのように世界最高峰の山です。8848メートル。すごい高さです。僕は昔登山をしていたので、富士山(3776メートル)に2度登りましたがそれでも酸素が薄くなるせいか、頂上付近では思うように足が前に進みませんでした。こんな具合ですから8848メートルなんてとんでもない世界です。
 それをラインホルト・メスナー(Reinhold Messner)という登山家は1980年に単独無酸素ボンベ登頂したのですから、当時びっくりしました。なんと無酸素ボンベ登頂!驚くべき肺機能!そのエヴェレストの頂上直下8235メートルから8540メートルの約300メートルにわたりイエローバンドという黄色の石灰岩でできた地層が見えます。これはエヴェレストがかつて海底の底だったことを示しています。頂上付近から採取された岩石の中から三葉虫の化石が発見されています。
 南からインド大陸が北上して、アジア大陸に衝突、といっても年間15センチから20センチの移動ですが、その膨大なエネルギーが両大陸の海底を盛り上げてヒマラヤ山脈を形成したのですから驚きです。いまだそうしたきしみのエネルギーが蓄積され中国の雲南地震に関係しているのかも知れません。そんな訳でエヴェレスト付近はそれまでに堆積した生物の化石の宝庫でもあるのです。

 このアンモナイトは恐竜たちと同じ時代に繁殖したので、今から約2億4500万年前から6500万年前に生息した中生代を代表する古生物です。インド大陸とアジア大陸が衝突してヒマラヤ山脈が形成されたのは今から5500万年前から4500万年前と考えられています。そのカリガンダキ渓谷から発見された黒い緻密な化石のアンモナイトは地元では昔から神として崇められてきて、宝ものとして現在も伝えられているものもあると聞きます。この化石を見るたびに生命の進化の不思議と大陸を移動させる壮大な地球のエネルギーを感じます。

日本骨董学院 http://www.kottou-gakuin.com/

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