2012年1月4日水曜日

氷川神社で初詣、石神井公園を散歩

あっという間に正月休みも過ぎましたが、初詣もまだだったので、子供のころからの馴染みの石神井公園の氷川神社にお参りに行きました。

 せっかく来たので、昔に駄菓子を買ったりしていた石神井公園の茶店で、軽食をとりました。いわゆる和風カレーというか、お蕎麦屋さんのカレーというか、僕の年代の日本人なら、懐かしいと思う味わいのカレーです。本格的なインドカレーが多い昨今、貴重な存在。


 楽しみにしていた豚汁は、もう作っていないと知りがっかり。確か一杯400円未満だったと思うのですが、具が13種類も入って、すごく美味しい豚汁でした。最近は野菜の値段が高騰しているので、赤字になるとか。この寒空の下、鄙びた景色を眺めながらいただく熱々の豚汁が良かったのに。値上げしてもいいから、また作ってね、となじみのおばさんに頼んでおきました。

 昔は他にも何軒か食事の出来る店があったのですが、今はこの一軒のみ。看板から駄菓子のガラス箱まで、相変わらず昭和レトロのまま。かまわれることのない、のんびりとした店です。日暮れも待たずに店仕舞するのが困りものです。今日は営業中に入れたので、甘酒も飲めました。メニューにはこの他、味噌おでんや麺類、丼物などたくさんあります。

   さて石神井公園は、三宝寺池、石神井池の二つの池を中心としていますが、僕は武蔵野の自然を感じさせる、落ち着いた静かな三宝寺池側が大好きです。少年時代にはこの公園で開催される模型ボート大会に参加したり、昆虫採集をしによく来た思い出があります。今は、お気に入りの双眼鏡(2011/9/4投稿)でバードウォッチングをするのが楽しみです。かわいくてきれいな翡翠色の羽を持ったカワセミが人気で、撮影に来る方が後を絶ちません。

 石神井城跡とそれにまつわる遺跡がひっそりとあります。私は歴史が好きですから、この古城跡を歩くのが一番心が休まります。豊島区の名前の由来になった城主・豊島氏は、平安時代からこの辺りに勢力を張った豪族で、江戸城をひらいた大田道灌との戦いに敗れても、この城を明け渡そうとせず、再起を計りますが攻められ滅亡...その後、城は破壊され、今は土塁が室町時代の往時を物語るのみです。
 小学校4年の頃に観て感動した黒澤明監督の出世作「蜘蛛巣城」を彷彿とさせるところがこの城跡にもあります。芭蕉は奥州平泉に立ち寄った際、かつて義経が討伐軍と壮絶な戦いを繰り広げたことなど嘘のような静寂な風景を見事な句に詠みました。冬空の下、夏草ならぬ枯れ草の合間を猫が気ままにすり抜けるこの石神井城跡の風情も、正に「兵どもが夢のあと」です。

 ここに散歩に来る度、昔いた猫と同じ特徴の猫たちに出会います。今回一緒に写真撮影をお願いした猫もその一匹。少々御機嫌斜めだったらしく、しばし格闘の末、猫もタコも複雑な表情のままパチリ。気を取り直して、池の鴨を眺めたり、餌も無いのに手を叩くと寄ってくる鈍色の鯉を見て楽しみます。
                         その昔、豊かな湧水を誇っていた三宝寺池も、現在は地下から汲み上げる水を足すことで水位が維持されているそうです。


                                                                                     去年大掃除をしていたら未使用のスケッチブックが出てきたので、かなり久しぶりですが、水彩スケッチをしてみました。まだ寒くて手がかじかんだのと、つるべ落としといわれる夕方の移ろいやすい色彩を描きとめる技量もないため、すぐに陽が沈んでしまいました。春にまた時間を見つけてゆっくり描きに来たいなあと思いました。


日本骨董学院 http://www.kottou-gakuin.com/

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