2012年6月6日水曜日

古代史の故郷・近江の旅



 5月末に、日本骨董学院創立18周年を記念して、会員の皆さんと旅行に行きました。壬申の乱を中心とする古代史の舞台、近江京と668年天智天皇創建の崇福寺を訪ねました。近江にありながら奈良十大寺の一つと数えられた重要な史跡です。平安時代の落雷で焼失して礎石だけになっている三重塔跡からは、国宝に指定された緑色のガラスの舎利容器が出土しています。今は木立に囲まれたこの静かな寺跡に立ち、古代からの歴史にしばし思いを馳せました。そばには、百穴古墳群があったり、鎌倉時代の阿弥陀様の石彫大仏があったりで、みどころの多い場所でした。決して平坦な道のりではないので、ちょっとしたハイキングなみの運動量でした。御蔭でお腹も空いたところで、夕食を食べに長浜へ。名物・近江牛のステーキやしゃぶしゃぶに舌鼓を打ちました。

向源寺
 翌日は、向源寺の国宝十一面観音を拝観しました。本来なら、限られた公開日に、薄暗い御堂の奥深くに浮かび上がる御姿をそっと見上げて拝むにふさわしい観音様です。しかし、国宝に指定されたことで、御傍から拝見させていただけるようになっています。後ろまでまわってじっくり鑑賞させていただくことができます。本当に素晴らしい観音様です。様々な時代の波を超えて、大変な思いで守り抜かれただけのことはあります。今こうしてゆっくりと拝顔できることを、有り難く、幸せに感じました。ご住職の丁寧な解説でこの観音様の時代背景、見どころがわかり、皆さんその異国情緒あふれるお顔の美しさに見とれていました。今回は、7歳のお嬢ちゃまも参加してましたが、「スゴイ!」と素直に感動していたのも印象的です。


  百済寺の鐘楼では、皆さん思い思いに願いを込めて鐘を撞きました。

百済寺からの素晴らしい眺望
    「天下遠望の名園」とされる庭園本坊の大きな池の前に座って、のんびりと庭園の美しさを楽しみました。

大きな池には、見事な鯉がたくさん!
 西明寺では、自分の干支の十二神将を拝むと御利益があるとのこと。係の方の細部にまで及ぶ説明が実におもしろく、皆さんとても楽しまれたようです。どこも清々しい新緑が広がり、心が洗われるような気分でした。お天気にも恵まれた、爽やかな5月の旅でした。


日本骨董学院公式サイト: http://www.kottou-gakuin.com/

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