今年の5月のゴールデンウィークは、9連休取れた方も多かったようですが、タコはほとんど普段と変わらぬペースで働いていましたが、数日お休みがとれました。連続してお休みが取れなかったので、遠出はせず、時間の空いた時にはのんびりと骨休めするようにしました。
前回この公園についてブログに投稿した時の写真は1月の寒空の下で撮ったものでしたが、今回は辺り一面の新緑。 連日の雨に洗われて、ツヤツヤとした若草色に迎えられ、子供のころから何度ここに来たかわからないほどですが、いつもなにか新たな、じわっとくる感動がある場所なのです。
タコは古美術品を扱いますが、美術でも映画でも音楽でも、いつ観ても聴いても新たな感動、新しい発見があるということが、その作品の本来の力であり、魅力なのだと思います。1万年前の縄文土器に洋画家の岡本太郎が感動して、自分の芸術の原点としたように、まさにその作品の持つエネルギーがわれわれを感動させ、驚かせるのです。美術はこんなにはるか彼方の時空を超えて人の魂に訴えることができるのですから、すごいことですね。
ポケットからiPodを出して大好きなカ-ル・リヒター(Karl Richter)のチェンバロHarpsichord/Cembalo/Clavecin/ClavicembaloでバッハJohann Sebastian Bachの「平均律」The well-tempered Clavierを選び、聴くことにしました。もう30年も昔にスイス、インターラーケン(Interlaken)から登山鉄道に乗り、アルプスの山々を見ながらカセットテープで聴いた曲です。自然にとても合う曲です。グレン・グールドGlen Gouldの「平均律」もなかなかいいです。石神井公園の水辺や泉のほとりを歩いていると惑星ソラリス("Solaris" 1972 )の冒頭の水草がゆらゆらとたゆとう美しい場面を思い出します。バックミュージックはやはりバッハのオルガン曲で、コラールプレリュードBWV639番(J. S. Bach, Choral-Prelude "Ich Ruf Zu Dir, Herr Jesu Christ" BWV639)でした。これを聴くと、いつもあの映画の冒頭部分の映像とアンドレイ・タルコフスキー監督の水の思想を思い浮かべてしまいます。「ソラリス」はすべての面ですばらしい映画です。 タコがこれまでに最も感銘を受けた映画作品は、黒沢明監督(Akira Kurosawa)の「蜘蛛巣城」"Throne of Blood"1957と「デルス・ウザーラ」"Dersu Uzala"1975、そしてタルコフスキー監督(Andrei Arsenyevich Tarkovsky)の「惑星ソラリス」"Solaris"1972の3作品です。それにあえて付け加えるとすれば、オーソン・ウエルズ監督(George Orson Welles)のカフカFranz Kafka「審判」"The Trial"1962でしょうか。
そんな懐かしいことを考えながら石神井公園の散策を終えました。「蜘蛛巣城」はタコが10歳の時、「審判」は高校生の時、カフカの文学に熱中していた時に観ました。「惑星ソラリス」は大学時代に岩波映画で観て、とても感動しました。そして「デルス・ウザーラ」は社会人になってフィルム・センターの黒澤映画連続映写会で鑑賞しました。これも黒沢監督の代表作といってもいい映画です。多くの点で啓発された思い出の映画ばかりです。
石神井城址も戦国時代の「兵どもが夢の跡」、まさに「蜘蛛巣城」の映画の時代背景と同じイメージの城跡の一環です。
石神井城址も戦国時代の「兵どもが夢の跡」、まさに「蜘蛛巣城」の映画の時代背景と同じイメージの城跡の一環です。
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