2012年9月10日月曜日

勝虫 石州流茶道・東京茶和会 

石州流茶道・東京茶和会での角田先生、わたしと皆様
 今年も、石州流茶道・東京茶和会の講演会が開催され、今回は「中国青磁・高麗青磁そして鍋島青磁へ」という青磁のテーマで講師としてお話をさせていただきました。皆様、茶道の専門家だけあって、歴史やお道具についての学識が深いので、僕の話に合いの手も入り、大変楽しく盛り上がりました。古代越州窯の作品から高麗青磁の成立の経緯、魚文の歴史と意味、桃山茶道のお話を入れながら、江戸の鍋島青磁に至る青磁の歴史についてお話させていただきました。
 途中、師範の角田先生が差し入れてくださったおこし「古代」と飲み物で、ティーブレークが入りました。老舗「大心堂」http://www.kodai.jp/のこのおこしは、品の良い甘さと適度な歯ごたえで、とてもおいしいです。僕もかねてより好きなお菓子の一つです。


備前のお皿と「大心堂」のおこし「古代」

 角田先生は、とても粋な紳士で、今日は勝虫(かちむし)のブローチをしていらっしゃいました。秋を感じさせる、さりげない季節のお洒落がさすがです。トンボが勝虫と呼ばれるには諸説あります。前進あるのみで、後ろに下がらない、すなはち戦に勝つということ等、いずれもこの虫が俊敏で勝負に強く、また幼虫の時は甲冑のようであり、その固い殻から出て成虫になると勇ましい姿に変わることから再生復活の意味でも縁起の良い虫ということになりました。古くは雄略天皇から、そして戦国時代にはますます武将たちに好まれました。兜の前立てや武具、武士の衣服の文様に広く用いられました。武家の茶道である石州流の師範でおられる角田先生ももちろんそうした意味もあって、大切な場にはいつも勝虫のブローチのコレクションの中から一つ選んで身に着けていかれるそうです。さりげないく日本の文化を身に着ける先生に心から敬意を表する次第です。



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